TRION NOTEブログ

2018-03-22
革のお手入れ

ケアクリームを使った革の基本的なお手入れ

ケアクリームを使った革の基本的なお手入れ

数ある中から、せっかく選んで出会った革アイテム。大事に長く使いたいですよね。
「革のお手入れ」と聞くと、面倒で難しそうなイメージを抱きがちですが、流れを覚えれば意外と簡単。
今回は、クリームを使った基本的なお手入れ方法をご紹介します。

用意する基本的なお手入れアイテム

クリームでのお手入れ

・基本的なお手入れ用品
タオル、保革クリーム(無色透明のもの)、ポリッシングコットン(ハンカチでも可)

・あると便利な物
ほこり落とし用のブラシ(馬毛)、つや出し用のブラシ(豚毛、ナイロン)

お手入れアイテムを見る

ほこり、汚れをおとす

ほこり、汚れをおとす

柔らかい布、または汚れ落とし用のブラシでブラッシングして、革表面に付着しているほこりを落とします。日ごろのお手入れはこのブラッシングのみで充分です。

汚れがひどい場合はクリームを塗る前に、リムーバーなどでその汚れを落としましょう。
>汚れ落としの方法はこちら

クリームを柔らかい布にとる

クリームを塗り広げる

クリームを柔らかい布に少量とり、布に馴染ませます。
今回はオールマイティな艶なしタイプの「M.MOWBRAY デリケートクリーム」を使用します。

グラブレザーに合った成分で調合した、トライオンの「オリジナルケアクリーム」のご用意も。濃厚なクリーム状のテクスチャーで、保革効果により革のひび割れや乾燥から保護してくれます。

クリームには様々な種類があり、革の種類や艶感などの好みによって使い分けると楽しみがぐっと広がります。
マットだけれどしっとりした質感に仕上げたり、これでもか!というくらいぺかぺかに仕上げたり・・・物によっても、人によっても、仕上げ方の好みが分かれる、こだわると奥深いアイテムです。

クリームを塗り広げる

クリームを塗り広げる

布にクリームを馴染ませたら、革表面に当てて円を描くようにして手早く塗り広げます。
革の顔色を伺いながら、クリームを少しずつ布にとり、馴染ませて、塗り広げる・・・を繰り返します。

クリームを塗布する最大の目的は“程よい”油分の補給です。
一度にたくさんのクリームを付けたり、過剰に塗りこんでしまうと、革表面に油分が浮き上がってきて白くかたまったり、レザーの風合いを損なう場合があるので、少ししっとりしたな、と感じるくらいで大丈夫です。

ブラッシング

ブラッシング

クリーム伸ばし用のブラシでブラッシングし、クリームを均一に伸ばします。
柔らかい布でも代用できますが、ブラシだと持ち手付近や側面のパーツの継ぎ目、ステッチ部分などに溜まってしまったクリームを手早く綺麗に伸ばしきることができます。ひとつ持っていると便利なのでおすすめです。

仕上げの乾拭き

仕上げの乾拭き

最後に、乾拭きをして余分な油分を拭き取って仕上げます。
グローブクロスがあると艶出し効果も高く、スピーディーに仕上げられます。こちらも、柔らかい布で代用できます。

手のひらから体温を伝えてあげるように革表面を撫でてみて下さい。しっとりとした艶感が出てきます。素上げ調の革や、使い込んで馴染んだ革であれば、より一層光沢が立ち上がってくるような表情を見せてくれます。

普段のお手入れでは、ここまでのケアでも充分ですが、汚れをもっと付きにくくしておきたい場合や使い始めで馴染むまでの色移りなどが気になる場合、汗をかく夏場の色移り防止対策としては、最後に防水スプレーをかけておくと効果的です。

防水スプレーをかける

防水スプレーをかける

防水スプレーは撥水タイプ(フッ素系)のものがおすすめです。
20〜30cm程度離したところから、全体にまんべんなくかかるよう、均一にスプレーします。
防水スプレーはできるだけ屋外で、かける時に誤って吸い込まないよう注意して使用してください。

そして、意外と知らない、防水スプレーを使用する際のもうひとつ重要な注意点があります。
実は防水スプレーは1週間程度で成分が揮発し、防水効果が低下してしまうのです。
そして、防水成分が揮発した後は革表面が乾燥した状態に逆戻りしてしまうので、もう一度、基本のお手入れをしてあげてください。

レザーバッグのお手入れをしないとどうなる?

では、何もお手入れしていない革と、防水スプレーやクリームでお手入れをしている革とでは、雨が掛かってしまった時に、どんな違いがでるのでしょうか?
トライオンが扱う様々な革に、水滴を垂らして検証してみました。

検証結果を見る

お手入れのタイミングとして、一か月に一回程度を目安に、革表面の乾燥状態と相談しながら行なってあげるとベストです。

おすすめお手入れアイテム

意外と簡単そう!やっぱり面倒くさそう...人それぞれ捉えかたは違うと思いますが、まずは気が向いたときに、ちょっと手入れしてあげよう、くらいの気軽な気持ちではじめてみてください。

革製品は、日々を共に過ごすことで親近感がわき、お手入れすることで愛着がわき、少しずつ使う人に馴染んでいってくれます。
お手入れをする手間や時間をとおして、革を育てることの面白さや、天然素材だからこその味のあるエイジングも存分に楽しんで貰えたらと願っています。