TRION NOTEブログ

2018-05-25
読みもの

革の日焼けについて

革の日焼けについて

日傘や日焼け止めは夏の必須アイテム。乾燥やシミを防ぐべく、女性たちが必死になるこの季節ですが、「革も日焼けで色が変わったりもするのでしょうか?」というご質問を頂戴することがあります。

革の場合も、革の種類や染色方法によって、紫外線の影響を受けにくいもの・受けやすいものがあります。

コーディンググラブレザー

例えばトライオンで用いている、コーディンググラブレザーは顔料仕上げではありませんが、仕上げの最後にうっすらと染料を吹き付けて仕上げており(「化粧をしている」と表現されます)、発色の良さと均一でスムースな質感が特徴です。
お化粧をしていない「素上げ調」の革に比べ、経年変化はあまり感じられない分、水や紫外線の影響を受けにくい革です。

タンブルレザー(シボ革)

一方、タンブルレザー(シボ革)などは、毛穴やシワなどの革らしい質感や、経年変化を楽しめる「素上げ調」の革です。自然な変化を楽しめる分、水や紫外線によって変色・退色が起きやすい革です。

また、色によっても変化が分かりやすい色、分かりにくい色があります。例えば、Navyは紫外線での色の変化(印象の変化)が大きいカラーです。

クラッチバッグ
※こちらの商品は完売しました

写真上が新しいもの、下が使用して2年くらい経過したものです。GrayやNavyは濃いめの色なので、あまり気にせず使いがちですが、実は意外とデリケートなカラー。逆に言えば、少し気にかけてお手入れしてあげることで、色の変化や味わいをより楽しめる色でもあります。

たとえお化粧をした革であっても、紫外線に当たり続ければ変色・退色は起こってくるもの。建物の中に居ても「窓の近くにいると日焼けをしてしまった」という経験を持つ人は多いはず。
人の皮膚のように、日焼け止めを塗ることは出来ませんが、日傘を差す、日が差している場所を少し外して置いておく、炎天下の車の中に放置しないなど、なるべく紫外線に当たらないように気遣ってあげるのもポイントです。

レザーケア 革の日焼けについて

さらに、いつも決まった片面を表にして持っていると、その片面だけが焼けて色が変わってしまい、日焼けした面とそうでない面の色の差が目立ってしまいます。
たまに逆の面を表にして、なるべく均一に日焼けをさせていくことで、たとえ日焼けをしてしまっても見え方が違います。

レザーケア 革の日焼けについて

また、紫外線に当たると革は乾燥もします。変色・退色よりも革にとって辛いのは、この「乾燥」です。乾燥した状態の革は、付着した水分や油分は何でも吸い取ろうとします。その結果、水や汗などの汚れが浸透し、どんどん取れなくなってしまうことも。
そうならないためにも、定期的に「革の基本的なお手入れ」をしておいてあげることが大切です!

今回は、「日焼け対策」としてご紹介しましたが、革の経年変化という意味では日焼けをして色や風合いが変化することも楽しみのひとつとも言えます。ヌメ革などは、理想の飴色に近づけるべく、あえて日光浴をさせたりすることも。

共に時間を過ごす中で、日に焼けて、色が変化し、時たま手入れをしてあげて、じっくりと育てていく。そういったところに、革製品の醍醐味があります。

下ろしたてで綺麗な状態も良いけれど、使ううちに日焼けしたり、シミができてしまうことも、一緒に時を経たからこその変化であり、天然素材の面白さではないでしょうか。

そうは言っても、日の当たるところに放置していて、知らない間にすっかり色が変わってしまっていた・・・!というケースはなんとも悲しいもの。

長期間保管する場合は、日の当たらない涼しいところに保管してあげてくださいね。

レザーケアアイテム